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ニンニクの臭いの元と無臭ニンニクについて

2019年6月3日

ニンニクの臭いの悩みについては、約1000年前にまでさかのぼる事ができ、源氏物語では「病気のためにニンニクを食べているので、口臭が気になりあなたにお会いすることが出来ません」などと歌われています。ニンニクの口臭によって相手をがっかりさせてはいけないという気持ち、…こうした思いは今も昔も変わらないようです。源氏物語にも歌われていますが、もともとこの作者がニンニクを食べていたのは、病気が回復するよう精を付けるためだと考えられます。現在では、化学的に分析が進められており、ニンニクのパワーの源がアリシンという成分である事は以前ご紹介いたしました。しかし、このアリシンという成分こそ、平安から令和の現在まで、我々を悩ませるニンニク臭の元でもあるのです。今回はこのアリシンという物質が臭いを発生するメカニズムを見ていくことにしましょう。

アリシンはそのままの状態でニンニクの中にいるわけではなく、アリインという物質が化学変化を起こしてアリシンになります。アリインはニンニクの中に含まれる成分ですが、ニンニクを切ったりかじったりすると、ニンニクの細胞からアリイナーゼという酵素が漏れ出し、この酵素がアリインをアリシンへと変化させます。スーパーでニンニクが陳列されているからといって、臭いがきつくてたまらないという事は無く、ニンニク臭を感じ始めるのは、一旦調理を始めた時です。つまり、ニンニクを包丁で切ったり、すりおろしたり、レンジで熱をかけたり、炒めたり…、 このようにニンニクを調理(ニンニクの細胞を破壊!)していると、独特の香りがし始めます。この香りは食材の風味づけとして優れているだけでなく、食材の臭味(くさみ)を消す効果もあるようで、なんとも食欲をそそるものです。しかし、この臭いの元というのは、おそらくニンニクがその種を絶やさないために、動物や昆虫がかじったりすると、アリシンがあふれ出すように進化し、強烈な臭いで外敵を寄せ付けないための防御策として発達していったのかもしれません。あるいは、ニンニクにとって、自分の体を傷めつけられたことへの抵抗といえるかもしれませんね。ちなみに、ニンニクには芽(茎の部分)もありますが、芽にはアリインがそれ程多く含まれていない為、調理をしてもそれほど臭いをきつく感じることは少ないでしょう。

 

ニンニクはその匂いによって食欲がそそられる一方で、その匂いの為に、特に人とお会いする場合などでは、ニンニク料理を食べたいのにグッと我慢する場合もあるでしょう。このように、ニンニクの臭いが気になる方への対策(?)の一つとして、『無臭ニンニク』なるものが存在します。無臭ニンニクは、通常のニンニクと比べると、姿かたちは大変よく似ているのですが、大きさが通常のニンニクよりも数倍は大きいサイズです。しかし、無臭ニンニクは、名称こそ『ニンニク』ですが、植物の分類としてみた場合、ニンニクとは別の科目の植物(リーキというネギ植物で、西洋ネギ、ポロネギなどといわれます)になります。『無臭ニンニク』の臭いが少ないのは、アリインもアリイナーゼもニンニクに比べると、含有量がはるかに少ないためで、当然それらから生成されるアリシンも少なくなるというわけです。でも、よく考えてみると、アリシンは臭いの原因というだけではなく、ニンニクが本来持つ滋養強壮などの作用とも深く関係していることから、無臭ニンニクが「臭いだけがカットされた良いとこ取り」というのとは異なり、ニンニクの良い面の特徴も軽減してしまっていると言えます。ニンニクの食感がお好みの方には、適しているかもしれませんが、ニンニク独特の匂いがたまらなく好き、ニンニクを食べると元気になる、という方には物足りないかもしれませんね。


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