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第7号 薬の保管方法

アルバ薬局の薬の保管方法1

医薬品には、化学合成品や天然の植物から抽出した物質など様々な種類があります。一般に、薬の保管は、熱、光、湿気を避ける必要がありますが、中には極めて、熱、湿気、光に対して不安定な薬もあり、このような医薬品を取り扱う際は、私たち薬剤師も特に注意を払っています。患者様にとっても、薬を自宅で保管する場合は、やはり同様の注意が必要になってくるでしょう。また、最近では、2~3ヶ月分の薬を一度に薬局で調剤されることも多く、自宅でひょっこり出てきた薬について、「この薬、使っても大丈夫かな?」と気になる場合もあると思います。今回は薬がその効果を十分に発揮できるための、薬の保存や保管場所、使用期限についてご紹介したいと思います。

1.保管場所について

 私たち調剤薬局では、普段の業務の中でたくさんの種類の医薬品を取り扱うのですが、医薬品の外箱には、保管に関する注意事項が、『貯法』や『取扱い上の注意』として記されており、温度、光、湿気について規定されている薬もあります。これらについて、もう少し詳しくみていきましょう。

 

貯法

 

貯法

 

貯法

1-1.温度について
薬の保存温度に関しては、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で、下記のように定められています。
・常温:15℃~25℃
・室温:1℃~30℃
・冷所:4℃~10℃
錠剤やカプセル、散剤など飲み薬の多くは、温度に対する安定性が比較的高く、室温保存と規定されているものが大半です。これらの薬をご自宅に置いておく場合、太陽の光が差し込む窓際、暖房器具の周辺、台所の周りなどを避ければ、温度が問題になることはほとんどないでしょう。一方、注射剤や坐薬などでは、冷所保存と規定されている薬が大部分です。特に、インスリン注射薬は、未開封の場合は冷所保存、一旦使用すると室温保存として使用するものがほとんどです。これは使用中のインスリン注射を、冷やしたり室温に戻したりする際に起こる結露を避けるためです。さらに、インスリン注射の場合、冷やし過ぎて凍ってしまっても、品質の低下につながります。このため、冷蔵庫内の冷気の吹き出し口は温度が下がりすぎるおそれがあるので避けましょう。室温保存が必要な薬でも、薬を車の中においておくことは厳禁です。特に、真夏の日中では、車の中は50℃以上になりますので注意してください。
1-2.光について

光によって薬の成分が分解する恐れのある薬は、光が差し込んでこないように、暗い所に保管しておく必要があります。光に敏感な錠剤の中には、薬のシートそのものに遮光の工夫が施されていて、シートの錠剤部分が透けて見えなくなっています。また、目薬の中にも、遮光保存が必要な薬があります。保存袋として遮光用が用いられていますが、一見すると透けて見えるような袋なのに、実は遮光として用いられているものもあります。このような目薬は、使用後は遮光袋の中に片付けるようにして下さい。

 

1-3.湿気について

口腔崩壊錠などは、元々口の中で解けやすいように、つまり唾液(水分)と反応しやすいように作られているので、当然湿気には気をつける必要があります。このように湿気に対して反応しやすい薬の中には一包化調剤に適さない薬もあります。また、湿気と光の両方に注意が必要な薬の場合、これらを強力にガードするアルミシートに封入されているものもあります。

 

1-4.火の元に注意

数は少ないですが、引火しやすい性質の薬もあります。塗り薬の一部が該当するのですが、主に揮発性が高く油脂性の成分を含んでいるためです。このような場合は、火気(タバコ、カセットコンロなど)を避けて使用・保存して下さい。

 

1-5.誤飲に注意① ~小児の手の届く所はさけて~
自宅に薬を保存しておくと、薬を誤って飲んでしまう『誤飲』にも気を付ける必要が出てきます。つまり、本来飲む人とは別の人が飲んだり、あるいは別の薬を飲んでしまうケースです。ここでは、このような『誤飲』の観点から、薬の保管についてみていきましょう。

先ずは、小児が誤って薬を飲んでしまうケースです。乳幼児では、なんでも手にとって飲み込んでしまうことによる誤飲や、甘く味付けのしてある薬(糖衣錠やドライシロップ剤)をおやつのように大量に飲んでしまうケースもあります。また、錠剤のシートをおやつと間違えて、シートから取り出して飲んでしまうケースもあります。そうした事故を防ぐため、最近ではシートからわざと取り出しにくくしてある薬もあります。いずれにせよ、乳幼児や小児が誤って薬を服用しないように、小児の手の届かないところに保管しておくことが大切です。

 

1-6.誤飲に注意② ~高齢者の誤飲に注意~
高齢になると、目が見えにくくなったり、認知能が低下したために、誤って服薬するケースがみられます。飲んでしまったかどうかの記憶が定かでない場合もあるでしょう。これらの対策として、一包化(服用辞典ごとに薬をまとめる)をする、ピルケースに仕分ける、薬カレンダーを利用するなど、一目で分かるようにすることで誤飲を防ぐことが可能です。 他の例では、PTPシートから1錠ずつ切りはなして保管している場合、シートから錠剤を取り出さずに、シートがついたまま飲んでしまうという事例も報告されています。また、認知症の方が、数日分を一度に服用される場合もあります。認知症の方が誤飲をされない為にも、薬を容易に手に取ることが出来ない場所に保管しておくことが大切です。

 

2.使用期限について

医師に処方してもらった薬には、使用期限が明示されてないものがほとんどです。そのため、使用期限については、処方を受けた日から指示通り使用して使い切る日までということになりますが、最近では、シートに使用期限の記載がある薬もあります。とはいっても、必要に応じて使用する頓服としてもらった薬が、自宅の薬箱に残っていることなどは決して珍しいことではありません。

ここでは、薬の形態によって大まかな薬の使用期限と保管条件を示しておきます。 ここでお示しするのは、あくまでも目安です。 保管条件や薬の種類によっても異なりますので、おかしいなと感じた場合は、使用を避けるようにしてください。また、使い切らなかった処方薬については、自己判断で使用せずに医師や薬剤師にご相談するようにしてください。

 

2-1.使用期限の目安

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2-2.使用期限内でも使用しない方がよい場合
以下のような場合は、薬の品質が変わっている場合がありますので、使用を避けてください。
・錠剤やカプセルの色が変わっている、表面がザラザラしている、亀裂が入っている、臭いが変わっているときなど。
・粉薬の色が変わっている、固まっている、臭いが変わっているときなど。 ・透明だった液剤に沈殿があり、よく振っても溶けないときなど。
・軟膏やクリ-ムなどで、色が変わっていたり、油が浮いているときなど。
・透明だった点眼薬が濁っているときなど。
・シップ剤などの表面が乾いていたり、油が浮いているときなど。

 

3.まとめ ~おすすめの保管方法~

【高温・多湿・直射日光】を避ける場所として真っ先に思い浮かぶのは、冷蔵庫ではないかと思います。しかし、冷蔵庫からの薬の出し入れは、結露を引き起こし、かえって薬を湿気やすくさせてしまうことがあります。
そこで、アルバ薬局でおススメする薬の保管方法は、【高温・多湿・直射日光】の3点を避け、薬を薬袋(薬の入れ物)の中に入れた状態で、気密性の高いケースの中に保存しておくことです。その際、薬局で渡される薬剤情報書(薬の説明書)も一緒に入れておきます。このように保存しておくと、保管条件としても問題ありませんし、薬を誤って飲む危険性も減らすことが出来ます。さらに、現在治療中の薬であることを、情報書で確認することも可能です。
実は、先の方法をおススメするのは、これまで大勢の患者様とお話をしてきた中で、薬袋から薬を取り出し、薬だけをお薬箱の中に入れてしまったために、1回量を誤って飲んでしまったり、あるいは1日に飲む回数を誤ったりする事例を、何度か経験してきたからです。

 

そしてもう一つ注意していただきたいのは、薬が期限内で品質に問題ないからといって、その薬を飲んでよいかどうかは別の問題だという事です。つまり、薬が処方された時点での症状と、現在の症状とが必ずしも一致するわけではないからです。例えば、以前どこかの病院でもらった解熱剤が自宅にあるからといって、ある時突然生じた発熱時にそれを飲んでよいかどうかは別だという事です。発熱による原因がインフルエンザウィルスによる場合では、服用を避けるべき解熱剤があるからです。このように、自宅に残っている薬に関するご相談としても、調剤薬局をご利用いただければと思います。

初刊 2003/07/20
更新 2018/05/25

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