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第6号 紫外線について(2018年度版)

神戸の調剤薬局の紫外線の説明

紫外線は、シミやシワなど皮膚トラブルの原因であることはよく知られており、春から夏にかけて気温が上昇するにつれ、だんだん日差しが気になってきます。このように、紫外線の悪影響として、一番気になるのはやっぱり美容面でしょう。そのため、紫外線対策の意識は女性の方が高いのですが、最近では男性でも紫外線対策をされる方が増えてきています。

 

シミやシワが増えるのは、男性にとっても好ましいものではなく、いつまでも若々しくいたいものです。しかし、紫外線の悪影響は美容面だけではありません。 紫外線を浴びると、そこに活性酸素が発生します。

 

活性酸素については処方箋豆知識の第2号で触れていますので、ご興味のある方はそちらもご覧いただきたいのですが、活性酸素が発生すると、肌の構造の骨組みとなるコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質が傷められ、肌の構造は崩れ、シワになってしまいます。

さらに、紫外線から皮膚を守ろうと、メラノサイトという色素細胞が黒色メラニンを生み出し、肌を黒くして皮膚から紫外線をガードしようとしますが、これがシミの原因となってしまいます。また紫外線によって発生する活性酸素は、肌細胞の脂質やDNAも損傷を受けます。DNAの損傷は皮ふ癌の発生とも関連しています。

 

要するに、紫外線による影響は、美容面に止まらないという事で、また発生した活性酸素は、皮膚以外にも悪影響を与える可能性が大です。 このため、紫外線量の多い時期ほど活性酸素の発生量が増え、皮膚へのダメージを最も受けやすい時期となります。

 

さて、この紫外線ですが、1年の中では日差しの強い7月や8月がもっとも多いように思うのですが、実は5月くらいからが要注意です。何とか紫外線から身を守りたいのですが…、今回はこの紫外線について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

1.紫外線について

 

1-1.太陽光と紫外線
私たちの身体は、外敵に対する防御力や抵抗力を備えています。それを免疫力といいます。
太陽の光は、直線ではなく小さな波状に振動しながら進んでいます。この振動の波と波の幅を波長と呼びます。波長は、nm(ナノメ-トル、1/10億メ-トル)という単位で示されます。 波長は、短い方から順に、イオン化放射線(X線)・紫外線・可視光線・赤外線などに分けられ、波長が短いほど人体に強い影響を与えます。
つまり、波長が短いほど、強力なエネルギ-を持っているということになります。また、太陽から出る光は、波長の異なる光が発せられていますが、オゾン層や酸素に吸収され、波長が290nm以上の光線が地表に届きます。

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1-2.紫外線の種類
紫外線は、波長の短い順に真空紫外線・紫外線C波(UV-C)・紫外線B波(UV-B)・紫外線A波(UV-A)に分けられます。太陽から出た紫外線は、成層圏のオゾン層で吸収され、地表に届くのは、UV-AとUV-Bの一部といわれています。つまり、地表に届く紫外線は90%以上がUV-Aということです。UV-Cは、殺菌灯として使用されるほど強いエネルギ-を持っていますが、オゾン層でほとんど吸収されてしまうので、地表には届きません。このようにオゾン層は有害な紫外線を吸収してくれる役割があるのにもかかわらず、最近ではオゾン層の破壊が進み、有害なUV-Cの影響まで危惧されています。

◇UV-A(紫外線A波)
私達が浴びる紫外線の9割はUV-Aで、生活紫外線とも呼ばれています。エネルギーは低く人体に強い影響は与えませんが、窓ガラスを通して皮膚の内側(真皮)まで届き、肌の張りや弾力に関する繊維(コラーゲンやエラスチン)を崩壊し、主にシワやたるみなど肌老化を引き起こします。また、表皮最下層の基底細胞間に介在し、メラニンをつくり出すメラノサイトという細胞を活性化し肌を黒くします。また、活性酸素を作る作用はUV-Bより強いといわれています。

◇UV-B(紫外線B波)
窓ガラスを透過することはありませんので、室内ではUV-Bを浴びることはほとんどありません。それゆえ、レジャー紫外線とも呼ばれます。皮膚の中にまで届くことはなく皮膚の表面に作用しますが、生物に対する作用はUV-Aよりもはるかに強いといわれています。地表に届くUV-Bの量はUV-Aの1/10程度ですが、日焼けを起こす力はとても強く、皮膚が赤くなり、やがて褐色になるのはUV-Bの作用によるといわれています。また、真皮には届きませんが、コラーゲンを壊す酵素の働きを高めて間接的にはシワの原因にもなります。

◇UV-C(紫外線C波)
オゾン層でほとんど吸収されるので地表には届きませんが、エベレストの頂上くらい高くなるとUV-Cの一部が届いているそうです。細胞を殺す力が強く殺菌灯として使われています。皮膚の最外層にしか作用しませんが、作用は強く炎症を起こすことがあります。

 

1-3.紫外線量
紫外線はさまざまな因子によって、その量は変わります。
 季 節  5月~8月は紫外線への注意が必要な時期
 時 間  午前10時~午後2時頃が最も多く、正午頃がピーク
 高 度  標高300m上がるごとに紫外線量は約4%上昇
 緯 度  赤道付近に近づく程、紫外線量は多い
 天 候  快晴時を100とした場合、大雨20~30、薄曇り50~80
 日 陰  直射を100とした場合、木陰は40~50
 反 射  照り返し→ アスファルトは20%、芝生や土は10%以下、雪は80%

2.皮膚への影響

 

2-1.日焼けが起こる仕組み

日本語の「日焼け」という言葉は、紫外線により「皮膚が赤くなること」と「その後黒くなること」を含めて使われていますが,英語では赤くなることをサンバーン(sunburn)、黒くなることをサンタン(suntan)といい、きちんと区別されています。

サンバーンは紫外線による皮膚のヤケドのことで、サンタンはその結果おこるメラニン増加のことです。日焼け反応(サンバーン)の主役はUV-Bです。色が黒くなるサンタンもUV-Bによる一連の炎症反応により,メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が刺激され,黒色メラニンを生成します。日焼けによって肌が黒くなるのは、このためです。こうして黒色メラニンが皮膚表面に沈着することによって、紫外線から人体を守る衣服のような働きをしています。
 
しかし、色が黒くなるサンタンは皮膚が傷害された結果起こる反応ですので、色を黒くするために紫外線をわざわざ浴びることは,皮膚に余分な傷害を与えることになり、決してよいことではありません。
もうひとつ大切なことに、サンタンは必ずしもUV-Bによるサンバ-ンの後ばかりではなく、UV-Aによっても起こることを覚えておいて下さい。

 

2-2.シミが起こる仕組み
健康な肌ならば、日焼けなどによって一時的にメラニンの生成量が増えても、肌のターンオーバーとともに黒色メラニンは表皮に押し上げられ、垢などと一緒にはがれ落ちます。
 
しかし、強い紫外線を長く浴び続けていたり、繰り返し浴びることによって、メラノサイトは肌を守ろうとして活性化し、メラニンを過剰につくりあげます。このメラノサイトは一度活性化してしまうとそのままメラニンを生み続けます。そのため、その部分にメラニンが過剰となり色がついてしまうのです。これがいわゆるシミとなるのです。
 
紫外線はシミができる大きな原因の一つですが、ストレスや内臓障害、ホルモン異常、乱れた食生活などもシミをつくる原因になります。

 

2-3.シワが起こる仕組み
シワは、皮膚の真皮の変化が原因でできるものです。真皮は皮膚の弾力性を保つコラ-ゲン(膠原線維)やエラスチン(弾性線維)とその間を埋める基質(ヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸など)からできています。

皮膚の弾力とハリは、このコラーゲンとエラスチンによって大きく左右されるのですが、紫外線が当たるとそこに活性酸素が発生し、コラ-ゲン線維は小さく切断され、エラスチンは変性してしまいます。そのため皮膚は弾力を失い、たるみやひだとなりシワができます。
 
若い時は、皮膚組織もどんどん再生されますが、老化により再生能力が低下するとシワとなります。また、若い頃から沢山の紫外線を多量にあびた皮膚は、線維をつくる能力が弱まっているため、早く皮膚の老化が始まる傾向にあるようです。

 

2-4.皮膚がんの起こる仕組み
紫外線によって発生した活性酸素は、皮膚細胞のDNAを損傷させます。DNAは、皮膚が本来の正常なはたらきをするための設計図が書かれているのですが、DNAが損傷を受けると、この情報が書き換えられ、一部は暴走してがん細胞になってしまいます。

 

2-5.免疫力の低下
皮膚の表皮細胞にはランゲルハンス細胞という免疫に関与する細胞が存在しており、病気や異物に抵抗する機能を持っています。
 しかし、紫外線に大変感受性が高いため、日焼けのあと10日間ほど働かなくなります。紫外線を浴びる事で、一時的に免疫反応が低下し、風邪を引きやすくなったり、ヘルペスを発症することもあります。

 

3.紫外線から守る

紫外線から皮膚を守ることが出来れば、肌に活性酸素を発生させなくて済むわけで、第2章で述べた紫外線による害から身を守ることが出来ます。

 

3-1.日焼け止め
紫外線を肌から守る中心は、やっぱり日焼け止め(サンスクリ-ン剤)です。日焼け止めは、紫外線を散乱させる働きのある紫外線散乱剤と紫外線を吸収させる働きのある紫外線吸収剤から構成されています。どのような日焼け止めを選ぶ際の指標として、日焼け止めの効果を示すSPFやPAが用いられます。

 

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◇SPF(Sun Protection Factor)
UV-Bの防止効果の程度を「数値」で表したもので、UV-Bによって肌が赤くなる性質を利用した測定方法 で、2~50までの数値で表されますが、表示する数値には上限があり「50+」が最高です。
例えば、SPF10とある場合は、10分間で日焼けをする人が、それを使うことで100分(10倍の時間)まで日焼けの時間を延ばすことができるという意味です。言い換えれば、10分間で浴びるUV-Bの量を100分間まで 延ばすことができるということです。
UV-Bに対する遮断効果は、SPF30位までは効果的に上昇しますが、それ以上高くてもあまり効果が変わらないといわれています。
また、SPFの数値が高ければ高い程、防御率は上がりますが、SPFが高いと粘性が増して伸びが悪く、肌のかさつきや、何度も洗顔しないと肌に残りやすくなるなど、それだけ肌への負担も大きくなります。
◇PA(Protection grade of UV-A)
UV-Aの防止効果の程度を「記号(+)」で表したもので、UV-Aによって肌が黒くなる性質を利用した測定方法です。PAは、その効果を実感しにくく、長期的な悪影響を数値にすることが難しいため、SPFのように数値化はされていません。

 

 PA+  UV-A防止効果がある
 PA++  UV-A防止効果がかなりある
 PA+++  UV-A防止効果が非常にある
◇日焼け止めの上手な選び方
・肌のタイプ、目的にあわせて選ぶ
・肌にやさしく使い心地のよいものを選ぶ
・敏感肌の人は紫外線吸収剤を含まない(ノンケミカル)ものを選ぶとよいでしょう。紫外線吸収剤は紫外線を吸収して化学反応を起こしますので、皮膚への刺激の原因になる場合があるからです。また、SPFやPAが高いものは、刺激が強い場合があります。つまり、スペックの高い日焼け止めが、必ずしも優れているわけではなく、弱目の日焼け止めをこまめに使用するという使い方も、良い場合があります。
 
◇肌タイプ別日焼け止めの目安
 スキンタイプ

 洗濯など

(1時間まで)

 散歩、買い物など

(1~3時間)

 屋外スポーツ,海水浴など

(3時間以上)

 赤くなるが黒くならない人  SPF10  SPF30  SPF50
 PA+  PA+++  PA+++
 赤くなって黒くなる人  SPF10以下  SPF20  SPF30
 PA+  PA++  PA+++
 すぐに黒くなる人  SPF5以下  SPF10  SPF20
 PA+  PA+  PA++
◇ 日焼け止めの効果的な使い方
・ 初めて使用する場合は、使用予定の1,2日前に耳の後ろや腕の内側に少量を塗り、異常がないか確認しましょう。(パッチテスト)
・ 少しずつムラなく塗りましょう。
・ 汗をかいたり、触ったりしなければ、一度塗ると5~6時間の効果はありますが、スポ-ツなどで汗を多くかくときは、 2~3時間おきに塗り直すのがよいでしょう。
・ 海やプールで泳いだり、水遊びをする時は、落ちるたびに塗り直すようにしましょう。
・ ウォータープルーフ(耐水性、防水性)の日焼け止めは落ちにくいので、敏感肌の人や子供には使用しない方がいいでしょう。 外出する時は効果的に日焼け止めを使用しましょう。外出の目的や時間などを考慮して、自分の肌にあったものを選ぶようにしましょう。
3-2.その他の紫外線対策 ~服飾雑貨編~
紫外線対策として、日焼け止め以外のものをご紹介いたします。先ずは服飾雑貨編です。
◇ 日傘 日傘は紫外線防止に非常に役立ちます。ごく普通に市販されているものでも90~95%の直射日光を遮断してくれます。黒色が最も効果的ですが、可視光線や紫外線も吸収してしまうため日傘の中が熱くなってしまいます。白や薄い色合いのものでも効果は十分ありますので、外出時には日傘をさすようにしましょう。しかし、布から肌の距離が30cm離れるとUVカット率は40%に減ってしまうといわれています。 日傘をさす時は、あまり高く持ち上げずに、柄を短く持って使いましょう。
◇ 帽子 つばの広いもの(むぎわら帽子のように周囲につばのあるもの)が効果的です。つばが7cmあると顔にあたるUVの約60%をカットできるといわれています。
◇ サングラス UV防御効果のあるもので、大きめのレンズであまり濃い色のものは避け、適度な透明性のあるものを選びましょう。
サングラスはまぶしさ(可視光線)を遮るためにレンズの色の濃いものが多く、そのため視界が暗くなるので瞳孔が開きます。
そこへ横からの散乱紫外線が入ってくると、多くの紫外線を目に受けることになります。 ※目への影響:紫外線は角膜を透かして水晶体で吸収されます。水晶体の蛋白に変化が起こり、混濁を誘発する恐れがあります。白内障による失明の2%は紫外線によるものといわれています。

 

3-3.その他の紫外線対策 ~食事/サプリメント編~
紫外線によって、直接肌に悪影響を与えるのは、紫外線により発生する活性酸素です。活性酸素を抑える『抗酸化作用』で有名なのは、ビタミンCやEです。また、植物の色素成分などに多く含まれるポリフェノールは、抗酸化作用を持ち合わせているものがたくさんあります。ここでは、こうした抗酸化作用のある食品やサプリメント類についてご紹介いたします。 ◇ポリフェノール ポリフェノールは、化学構造上の特徴からそのように呼ばれますが、植物の色素などから抽出した成分にも多く含まれており、またそれらが高い抗酸化作用を持っていることから、一躍有名になりました。ポリフェノール類を多く含む食品成分として、代表的なところでは、鮭に含まれるアスタキサンチン、赤ブドウに含まれるレスベラトロール、トマトに含まれるリコピンなど多く存在します。中でもリコピンは、メラニンの黒色化を抑えるはたらきがあることも分かっており、美白成分としても注目を集めています。 ◇活性型DHA(アルガトリウム) DHAは魚油としてよく知られていますが、その中の活性型DHA(アルガトリウム)は、本来ヒトが持っている抗酸化力をアップするというユニークなはたらきがあります。もともと私たちの体には『グルタチオン』という酵素があり、この酵素によって体内の活性酸素はきれいに取り除かれています。ところが、年齢とともにグルタチオンの分泌が減少してくると、活性酸素が十分に消去できず、結果として活性酸素の被害(シミやシワ、つまり老化…)を許してしまうことになってしまいます。 そんな中、アルガトリウムを飲むと、なんとグルタチオンの分泌が増えるのです。しかもその抗酸化力は、ビタミンCやEよりもはるかに高いといわれており、現在多くの方が利用されています。(DHAサプリメントの中でも、『アルガトリウム』でないモノの中には、かえって活性酸素を誘発しやすくなる商品もありますので、ご注意ください)。 ◇水素サプリメント 抗酸化物質として知られるやポリフェノール類やビタミンEなどは、活性酸素と反応すると自身が新たな活性酸素の火種となってしまう恐れがあります。また、活性酸素には、悪玉活性酸素と善玉活性酸素(体の免疫機能としてはたらく)とがあり、本来取り除きたいのは悪玉活性酸素です。しかし、これらの抗酸化物質は、悪玉だけでなく、善玉も取り除いてしまい、必ずしも万能というわけではありません。ここで登場するのが水素です。水素は活性酸素と素早く反応し、しかも、悪玉の活性酸素は除去するのに、善玉活性酸素とは反応しません。さらにうれしい事に、水素は活性酸素と反応しても、産生するのは安全な水だけです。つまり、反応が非常に素早く、なおかつクリーンです。ただ厄介なのは、水素がとても軽い物質(気体)であるため、取り扱いが難しい事が上げられます。水素の商品には、水素水として市販されているものや、水素をパウダー状にした(水と反応すると水素が発生!)サプリメントなどが市販されています。

 

4.まとめ

大量に浴びる紫外線は間違いなく悪影響を及ぼします。しかし、有効な面もあって、天日干しをしたり(これは布団に潜むダニなどに紫外線を浴びせ、ダニの体内に活性酸素を発生させて殺すというわけで、ダニにとっては迷惑な話なんですが…)、骨を作るのに必要なビタミンDを活性化させるのにも必要です。報道でも、子供が日焼け止めを使用しすぎのせいか、骨の発育が不十分であるとの報道がなされていました。とは言え、これからのシーズンは紫外線が大量に発生する季節です。今回の内容が皆様のスキンケアにお役立てできれば幸いです。

初版 2004.04
更新 2018.04

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