MENU

第8号 水虫について

神戸の調剤薬局の水虫の説明

梅雨の時期に入ると、じめじめしていて蒸し暑く、不快な日が続きます。

2018年の神戸の梅雨入りは、例年よりも早めでした。梅雨に入ると、もう一つ厄介なのはカビです。食べ物にカビがつくと食中毒にも気を付ける必要がありますが、今回のテーマとしている水虫も、実はカビの1種で、「白癬菌(はくせんきん)」といいます。

白癬菌が皮膚に寄生すると、強いかゆみが現れたり、また皮膚はボロボロになり見た目も良くありません。

 

これからの季節、水虫に気を付けるために、どのようにすればよいかを、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

1.水虫の症状

水虫の原因菌である白癬菌(はくせんきん)は、糸状菌(しじょうきん)といって糸状の菌です。一旦皮膚にビシッと根を張ってしまうと、なかなかしつこく、元通りの無菌の状態にするには少々やっかいです。

 

白癬菌は、皮膚に多く分布するケラチンというたんぱく質を栄養源としていますので、体中のどこにでも寄生することが出来ますが、症状として大部分を占めるのは足です。しかし、ケラチンは皮膚だけでなく、髪の毛や爪にも含まれていますので、そういった部位にも感染を引き起こす可能性があります。

 

1-1.皮膚症状
体の皮膚の中で、足の皮膚が発症としては一番多く、水虫や足白癬とよばれ、全体の約8割に上ります。かゆみを伴ったり、皮膚症状も様々な症状として現れますが、主に次の3種類に大別されます。

皮膚症状

◇足の指の間がジュクジュクする趾間型(しかんがた) 一般に水虫といわれているもので、足の指の間が赤くなって、ただれてジュクジュクしたり皮がむけたり、皮が白くふやけたりし、強いかゆみを伴います。患部が臭う時は、白癬菌以外のほかの雑菌が寄生していることも考えられます。

 

◇足の裏にかゆみを伴って水ぶくれを生じる小水疱型(しょうすいほうがた) 足の裏や側面などに細かな水ぶくれができて、周囲が赤くなり、だんだん日がたつにつれ、乾いてかさぶたのようになりますが、皮がむけるだけのときもあります。この水ぶくれは強いかゆみを生じることがあります。

 

◇足の裏全体が厚くなって白い溝ができる角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏全体がカサカサして皮が厚く硬くなり、ボロボロと皮がむけ、かかとのひび割れやあかぎれを起こし、強い痛みをともなうこともあります。特徴として、冬場の汗もかかなくなり、空気が乾燥する季節にしばしば悪化します。かゆみがないため、水虫としての自覚症状がなく、見過ごされることが多いようです。

 

1-2.爪症状
白癬菌はケラチンを栄養源として増殖すると話しましたが、爪は皮膚よりも、ケラチンの割合がはるかに多い箇所で、爪水虫(爪白癬)と呼ばれます。爪は固く覆われており、もともと感染しにくいのですが、一旦感染すると、菌にとって栄養には困らない状況があります。そのため、一旦うつってしまうと、なかなか治りません。 主な爪症状は、痒みはありませんが、爪が白く盛り上がったり、黒ずんだりします。そのため、美容上も良くありません。さらに、爪が盛り上がっているために、靴下の先を傷付けてしまったり、パンストを履く際に伝線を引き起こす原因になります。

 

1-3.その他の部位
足や爪以外にも、白癬菌は感染することがあります。感染する部位によって、独自の名称で呼ばれることがあります。

・頭→頭部白癬(とうぶはくせん、シラクモ)
・内股→股部白癬(こぶはくせん 、インキンタムシ)
・手→手白癬(てはくせん)
・体→体部白癬(たいぶはくせん 、ゼニタムシ)

 

1-4.合併症
水虫が直接の原因で、症状がこじれてしまうことはほとんどありません。しかし、皮膚が傷んだり、皮膚や掻き壊してしまった皮膚の傷口から細菌が侵入し、感染症を引き起こすことがあります。また、白癬菌が引き金になって、アレルギー反応として湿疹を引き起こすことがあります(白癬疹)。通常は、感染した部位とは異なる部位に湿疹が生じます。

2.水虫の治療

一般的に、抗真菌薬という白癬菌を殺菌する薬を用います。抗真菌薬には、外用薬や内服薬があります。抗真菌薬の作用は、白癬菌という細胞の細胞膜を破壊します。もう少し詳しく説明すると、細胞膜を構成するエルゴステロールという物質が出来ないようにし、細胞を殺します。なお、エルゴステロールは人には存在しない物質ですので、抗真菌薬が白癬菌にとっては毒性が高くても、ヒトの正常な細胞に影響することはありません。

 

2-1.足の水虫 ~塗り薬~
体の皮膚の中で、足の皮膚が発症としては一番多く、水虫や足白癬とよばれ、全体の約8割に上ります。かゆみを伴ったり、皮膚症状も様々な症状として現れますが、主に次の3種類に大別されます。

神戸の調剤薬局の足の水虫の説明


◇軟膏:刺激が少ないので、ジクジクタイプの水虫に使用するとよいでしょう。
◇クリーム:カサカサ部位に使用。使用感もスッとしていてよい
◇液体:カサカサ部位に使用すると良いですが、クリームよりは刺激が強い為、しみそうな時は、別のタイプの塗り薬を使用するとよいでしょう。また、スプレータイプもあり、薬液を霧状に噴霧するタイプもあります。

 

以下に、現在治療薬として用いられている代表的な薬を記載しておきます。  

 薬品名(商品名)

 剤形
*Cr:クリーム

 一般名

用法

後発品

 市販薬

 ラミシール1%  Cr、液  テルビナフィン 1日1回  ○
 ルリコン1%  Cr、液、スプレー  ルリコナゾール 1日1回 ×  ×
 メンタックス1%  Cr、液、スプレー  ブテナフィン 1日1回  ○
アスタット1% Cr、液、軟膏 ラノコナゾール 1日1回
マイコスポール1% Cr、液 ビホナゾール 1日1回
アトラント1% Cr、液、軟膏 ネチコナゾール 1日1回 ×

塗り薬の一般的な注意を以下にまとめたいと思います。

◇広範囲に塗りましょう
白癬菌は足の広範囲に分布しています。その為広めに塗るようにしましょう
◇毎日続ける事!
白癬菌は皮膚の角質層(最も皮膚表面に近い層)にいます。最近の塗り薬は、1回塗ると、薬の成分は角質まで到達し、角質の中で丸1日居続けることが出来ます。毎日、使用することによって、菌に対して薬をさらし続ける事によって菌を死滅させます。
◇継続は1ヶ月以上!
しばらく使用すると、皮膚表面の菌は死んでしまいますので、痒みなどの症状は治まってきます。しかし、ここで止めてしまうと、角質の奥の方で生き残った白癬菌が、しばらくした後に増え始め、再び症状を引き起こします。こうして、見た目に、改善と再感染を繰り返しているようでも、実は水虫の火種を残したままだったということに注意が必要です。この角質の奥の菌を殺し切る一つの目安として、1ヶ月以上(2~3ヶ月くらいの間)塗り続けることが勧められています。仮に、菌がいない状態で薬を続けたとしても、使用は空振りに終わってしまいますが、正常な皮膚細胞に悪影響を及ぼすことはありません。
2-2.爪水虫 ~塗り薬~
爪はその表面をみても分かる通り、塗り薬を塗ってもなかなか爪の内部まで浸透しません。しかし、最近では、爪の内部と、爪床(爪が接している皮膚)にも薬が浸透するような薬が開発され、実際に使用されています。
この治療のミソは、薬の成分はケラチンとくっつく力が強い事です。使用法は、爪全体への使用と、爪の生え際の使用です。中でも、とりわけ大切なのは、生え際部分の使用で、塗った薬がケラチンとくっついていますので、そこには菌がいつくことはできません。そうして毎日使用しているうちに、つめは自然と生えてくることになりますが、爪の生え際部分は薬が効いていますので無菌の状態で爪が生えてきます。こうしてどんどん無菌の爪が生えてきて、古い爪を外側へ追いやっていくと治療が終了となります。このようなことから、治療の終了は爪が生え変わる、半年~1年ほどが目安といわれています。このように、長期戦になりますので、根気よく取り組むことが大切です。
現在、爪水虫の治療に適応のある塗り薬は2種類ありますが、薬の使用にはいずれも医師の診察が必要になります。なお、どちらの塗り薬も引火しやすい性質がありますので、火気を避けてご使用ください。

 

抗真菌薬(2018.6現在)

 薬品名(商品名)

 一般名

用法

先端の形状

 クレナフィン爪外用液10%  エフィコナゾール 1日1回

使用の先端が刷毛(ハケ)になっている。

塗る際は容器を下に向け、刷毛に薬液を染み込ませる

 ルコナック爪外用液5%  ルリコナゾール 1日1回

先端を押すと薬液が出る。

使う前に、容器を上向きにし、先端部分を5~6回押して、空気を抜く

2-3.爪水虫 ~飲み薬~
外用薬は、塗って薬の成分を直接患部へ届けますが、飲み薬は飲んで体の中から、薬の成分を爪の生え際に持って行きます。内服薬による治療も、医師の診察の元で治療を進めていくことになっています。

 

抗真菌薬(2018.6現在)

 薬品名(商品名)

 一般名

用法

特徴

後発品

 市販薬

 ラミシール錠125mg  テルビナフィン 1日1回 定期的に肝機能検査と血液検査を行う  ×
 イトリゾールカプセル50mg  イトラコナゾール 1日2回 パルス療法(1週間服用+3週間休薬:これを3セット行う)  ×

3.治りをよくする生活習慣

水虫(白癬菌)は、温度が15度、湿度が70%以上になると増殖します(カビの性質を考えると理解しやすいかもしれません)。このように高温・多湿は水虫にとっては、居場所としてとても居心地の良い環境ということが言えます。そのため、治療中はこのような環境を作り出さないように気を付けることが重要になってきます。

 

◇乾燥
通気性をよくしておくことは菌にとっても居心地が悪く、治りは良くなります。ただ、日常生活を送る上では、どうしても靴下を履いたり、靴を履くので、足の中はジメジメしがちです。このため、靴下や靴も通気性の良いものをお選びになるとよいでしょう。

神戸の調剤薬局の足を清潔に

◇清潔
菌の性質はしつこく、例えばお風呂の足ふきマットに、水虫付きの皮膚が剥がれ落ちていても、水虫はそのままの状態で生き延びることが出来ます。主な感染源は、こうした水虫の方が使用されたバスマットやスリッパを使用した時に起こると考えられています。しかし、水虫がうつる(白癬菌が皮膚にビシッと根を張る)には、約1~2日かかると言われています。このため、水虫が皮膚に根を張る前に、皮膚を清潔にして菌を洗い流すようにしましょう。
◇家族みんなで治療
家族で暮らしていると、バスマットやスリッパを共用する場合がほとんどだと思います。しかし、そのために水虫が家族全員にうつってしまうケースは決して珍しくありません。家族の方のうちお1人が治療されるよりは、ご家族全員で治療に取り組まれる方がよい結果をもたらすでしょう。

4.まとめ

神戸の調剤薬局の水虫の説明

最近は、従来医療用として用いられてきた塗り薬が、一般用市販薬としても販売されており、自宅での治療も行いやすくなってきました。ただ、足が痒い、足の皮膚がボロボロとめくれてきた、というだけでは必ずしも水虫とは限りません。もちろん、水虫の可能性が高いわけですが、水虫以外にも様々な原因が考えられ、たとえば乾燥による肌の湿疹、虫刺されによる炎症、もしかするとムズムズ足症候群と言って、脳の中に原因がある場合もあります。現在は、皆様がご自身で治療に取り組むセルフメディケーションが推奨されていますが、その際のサポート役として、処方せんを通して医師の治療を身近で接してきた調剤薬局の薬剤師を、ぜひお役立てください。

初刊 2002/06/20
更新 2018/06/14


本社アクセスマップ

〒650-0025
神戸市中央区相生町4-7-21
JR神戸駅 徒歩3分


© 2018 アルバ調剤薬局 All rights reserved.